2013さくら道国際ネイチャーラン完走記:栗原 智也

2013年さくら道国際ネイチャーラン走ってきました。思えば2006年の秋に何の気まぐれかつくばマラソンの10kmの部に突然出て当時90kg近い巨漢で41分という思いがけない好タイムで完走。いや、完走やタイム云々よりも見も知らない自分が沿道からの物凄い応援を受けたことが快感になって、以降マラソンを始めるきっかけになったと思います。

 

その後ハーフマラソンもフルマラソンも走ってないくせに、すぐにサロマ湖100kmの存在を知り無謀にもエントリー。。。ラスト20kmのワッカはすべて歩いての完走(完踏)ですっかりウルトラマラソンにハマりました。

ウルトラマラソンを始めた頃からさくら道ネイチャーとスパルタスロンの存在は知っていましたが、流石にすぐに挑戦する勇気まではなくて、それから数年間は他の大会で修行の日々。フルマラソンも2時間42分、100kmもコンスタントに8時間半前後で走れるようになり、また、超ウルトラマラソンにも何本か出て最後に仕上げに川の道フットレース520kmも完走したのでいよいよ今年はネイチャーとスパルタスロンに参戦という運びになった訳です。

 

 


とはいえ、ネイチャーは選考基準が不明確、且つ、中々通らないということでここでは割愛しますが、色々あって今回2回目の選考挑戦で通過でした(このあたりの話は私のFacebookの去年の11月末あたりを読んで下さい。ネイチャーの選考基準などの私なりの分析が載っています)。

 
さて、前置きが長くなりましたが、兎に角名古屋城のスタートラインには立てました。ただ、今回は折角さくら道を走れるというのに直前2ヶ月前から左足のシンスプリントの故障と大会数日前に右足の親指の爪を剥がすという最悪の事態で前日までは歩いても痛いというコンディションでした。でも、この大会だけは絶対諦めない、36時間以内に兼六園にゴールするんだという決意でした。

 


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【4月20日6時3分名古屋城スタート~107km白鳥町まで】
6組に分かれてのウェーブスタート。マロン君は2組目。気温は曇りで10度はなかったと思います。天気予報では夜には白川郷あたりは雪の予報が。。。かなり寒くて寒さが苦手な私としては結構、既にビハインドな状況。取り敢えず長袖にビニール袋を被ってのスタートとなりました。問題は今の自分の脚の状態でどの位のペースで行くか!?

 

うだうだ考えていてもしょうがないのでここは自然体で走ることにしました。ちゃんと測ってませんが多分5分カットくらいのペースだったと思います。名古屋から一ノ宮までの国道は信号機が多く、信号機運がないのか悉く捕まりました。30km手前あたりにある踏切でもかなり長く捕まる始末。。脚はやはり限りなく怪しい状況だったので信号待ちはストレッチタイムと割り切って走ることに。30km過ぎのエイドで岐阜のラン友うっちーが待っていてくれました。

 

ネイチャーは公平性の確保という競技前提があるので声援のみを受け取りましたがとっても嬉しかった。やはり友達の応援は何ものにも変え難いですね。42km通過ラップは3時間40分くらい。信号待ちや踏み切りで捕まっていたことを考えると実質3時間15分くらいでの通過。速いか遅いかといえば自分の順位が5位だったことを考えても速い訳ですが、あまり気にせず兎に角、今の自分に出来る最大限の走りをしよう!ということだけを考えていました。

 

45km地点で優勝ランナーのMしたさんに追いつかれ50kmまで付いて行きましたが置いていかれました。優勝ランナーあたりになると40km過ぎのエイドでも全く足を止めずに通過するんですね(驚)。尊敬します。私は30秒くらいはうだうだしていました。。でも、スタートの時は寒く感じましたが、初日の夕方までの気温は曇りで湿度もほどほどでとても走りやすかったと思います。夜はなかなか進めなくなるし、雪にもなるから走れる今のうちに距離を稼いでおこうと思い兎に角走りました。さくら道自体は海宝さんのさくら道遠足270kmで2回走っているのでコースの全貌はほぼ把握していたし、2年ぶりのさくら道は懐かしい。思い出に浸りながら飽きずに106km地点21番エイドの白鳥町に到着。到着時刻は夕方4時。100km通過が9時間20分程度。信号待ちロスタイムを考慮すると実質9時間カットペースくらい。順位5位。速いのはわかっているけど白鳥町までは真面目に走るつもりだったのである意味予定通り。

 

白鳥につく直前に早くも雨が降って来て気温が一気に下がってきました。おいおい!天気予報より早いじゃないか(涙)このエイドでのんびりカップラーメンを食べてトイレに行って防寒具に着替えているうちに今回、準優勝したKそさんや他数名のランナーに抜かれましたが、別に順位は気にしていないので関係なし。

 


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【107km白鳥町~172km白川郷】
次の心の目標は白川郷。ここからは防寒具を着込んで出発。雨も結構本降り(涙)。気温は4~5度(涙)。あー、夕方でこの気温とこの雨。。夜が怖いよ~。白鳥を出てからすぐ体調が悪くなる。低血糖症気味になって脚に力が入らず、またその後は脱水症状になってエイドでヤクルトをガブ飲みしたせいか極度の吐き気と食欲不振に。

 

いつもウルトラでも食欲はある方なのでちょっとやばい感じ。800mのひるがの分水嶺越えの登りはかなり苦しくなってここで初めてちょっとだけ歩きが入りました。分水嶺手前のエイドでラン友うっちーがまたまた応援してくれていたので、ここはあんまり気持ち悪い顔は男の子的には出来ない(笑)と思い、耐えましたけど(笑)。うっちーここまで応援に着てくれてホントにありがとう。来年は一緒にネイチャー走りたいな。で、ひるがの分水嶺のてっぺんに到着する頃にはすっかり暗くなっていました。そして外は雨からみぞれ&雪に(涙)。

 

許して。。。シューズはひるがの手前で履き替えたのですが既に浸水。思いやりのないダンプカーは容赦なくじゃりじゃりの雪水をかけていってくれます(怒)。250kmの半分である125km通過が12時間半でした。単純に倍にすると25時間ですが、そんなことはこの雪と路面状態、自分の脚の状態、やられてしまった胃腸、吐き気から考えると無理。多分30時間切りもむずかしいだろうなと感覚的には感じていましたね。

 

少しでも雪水たまりを避けようと足元をハンドライトで照らしながら進むので神経もかなり使って疲労していました。28番エイドの荘川町荘川桜143km地点に着く頃はすっかり大雪で足が冷たく感覚も無くなっていました。フランス人のランナーさんは何故か短パンで震え上がっていました。気温計はマイナス2度の表示(笑)。真剣にサバイバルレースというか生命の危機かもよ状態(涙)。いつもは大嫌いなトンネルが今回はオアシスでした。

 

いくつも数えきれないトンネルがあるわけですが、トンネルを抜けるとそこはいつも雪国だった。もうこのあたりからは飲み物すら受け付けなくなっていて、エイドがあっても白湯を貰ってそこに檸檬やフルーツを絞ってちょっとだけ飲むだけとなりました。口では結構弱音も吐いていたと思いますが、でも、結構前に進む気力だけはありました。で、兎に角白川郷入口に到着。一面白銀の世界遺産合掌造りのど真ん中を進みます。何か神秘的だけどこっちはもうズタボロ(涙)。昼間にラン友のYころんが白川郷に着ていたらしいので若しかしたらいないかなと思い走るけどいない(涙)。白川郷を出るところで漸くコンビニがあったので、ここでびちょびちょの靴下を捨てて、雪でふやけた爪と足裏の豆のチェックと絆創膏、テーピングで簡単に手当てをしてからコンビニで売っているサラリーマン靴下の厚手のものを2つ購入し二重履きする。

 

 

この知恵は去年川の道520kmを走った時の経験から身につけたもの。足裏に豆ができていたらインソールにハサミで穴を開けて痛い所がぶつからないようにして走るつもりでしたが、幸いなことに酷い豆は出来てませんでした)。初出場だったので今回は荷物を預けられるエイドを十分に有効活用出来なかったと反省しています。そんなこんなで兎に角よれよれの雪だるまになりながら何とか34番エイドの白川郷172km地点に夜中の2時前到着。

 


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【172km白川郷~212km南砺】
白川郷エイドでも全く何も食べられず出発。このあたりからは依然続く吐き気に加え腹痛と幻覚、眠気も凄いことになってきました。特にオレンジ蛍光灯のトンネルではなぜか猛烈に眠くなってフラフラしながら何度も壁に激突で手袋も真っ黒。この区間がもっとも走れず苦しい時間帯でした(想定内ではありますが)。今回は雪のせいで白い幻覚が多く、出てきたのはニョロニョロの大群、パンダの大群、宇宙人(笑)。あまりに眠くて歌を歌おうと思ったら冷気で喉をやられて声が出ない(涙)。

 

しょうがないでの『はっ!』とか『ふっ!』とか気合入れの奇声を上げながら進む。そして明るくなってきてから五箇山登場。そして富山のラン友のMりんと東京から観光応援に着てくれたYころんが揃って登場。2人とも雪道をわざわざ早朝からありがとう!!ずっと雪道を一人ぼっちだったので人と会うととても嬉しい。が、意識はかなり朦朧。五箇山手前のエイドでこーちさんと一緒になって五箇山を歩かないで走って登るというので真似して走りました(笑)。山頂の方から(たぶん)はっとりさんが『マロン君~!!』と呼んでくれてちょっとやる気になって走る(遅いけど走っているつもり)。

 

40番エイドは今回のお会いできることを楽しみにしてきた岐阜の燃える男ミスターネイチャーこと大西さん初め、他のエイドではちょっと考えられない濃い~スタッフの皆さんが勢ぞろいで意識が朦朧としている私は一気に攻め込まれました(笑)。

 

大西さん、服部さん、皆さん、本当にありがとうございました!感謝です。元気を沢山貰いました。そして五箇山の長い長いトンネルを抜けて下りは膝がかなり逝っちゃっていたので雪で滑るので気をつけながら後ろ向きで駆け下りました(良い子のみんなは真似をしないように)。下山したらようやく雪から解放。でもまだ雨は降っている(涙)南砺に朝9時前に到着。

 


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【212km南砺~250km兼六園ゴール】
南砺を出てからもう1回コンビニで靴下交換。今回はあれだけ酷い雪道だったのに足裏が綺麗なのには救われました。これであとは兼六園と言いたいところですが、いえいえ、まだ最後に県境の山越えがもう一つあるんです(涙)。

 

223kmの福光のエイドで先日台湾1周1200kmを走破された尊敬するランナーTどころさんに『もうここまでくれば大丈夫だよ』と声をかけて頂きちょっとほっとする。ゴール予想タイムは33時間くらいかなと思いながらもう走ってるんだか歩いてるだか分からないスピードで本人的には走っているつもりで進む(笑)。兼六園までも結局、ずっと雨でした。吐き気も腹痛もずっと結局収まらず。でも、兼六園まであと3キロの偽りの標識(実際は5キロはあると思う)をみたらなんだか嬉しくなって、あれ!?不思議(笑)最後の4キロだけはキロ4でダッシュ。なぜか信号にも一切捕まらずラストの兼六園の上り坂も全く問題なく駆け上がり佐藤桜へ一目散。この最後のダッシュのお陰で32時間台でゴール!

 
記録32時間41分。初出場であの雪なら上出来でしょう。超ウルトラは兎に角諦めない気持ちが大事。去年の川の道完走以来の達成感、充実感でジーンときました。ゴールでも待っていてくれたMりんとYころん本当にありがとう。そしてLINEやFacebookでも応援してくれた皆さん本当にありがとう。久しぶりに全てを出し切った感のあるレースでした。これだからウルトラマラソンはやめられないですね。

 


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